新お悔やみの部屋日記帳

自作小説を掲載したり、物書き状況を喋ったり。ツッコミ歓迎。写真とサカーは「はてな」に移転しますた。

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当方から覗ける小説は以下のとおり

●「お悔やみの部屋」では主に創作物の公開を行っています。現在も更新中なのは、「川辺の祭」と「河図石語」の2作品。他にも完結済長編などがありますので、こちらの本家玄関からどうぞ。
 感想やご意見は大歓迎です。ブログ掲載分ならばコメント欄、それ以外などはメールフォームに四六四九!

川辺の祭(大長編・10章1節まで公開済)
 舞台は本州日本海側の某市。普通の高校生に、謎の男女「ツル」と「ゴロウ」が取り憑いて、謎解きしたり仲良くなったりする物語。攘却の「祭」を経て、ラブコメ要素が強まっていますが、まだ謎の影は残っていたりします。 進行状況は祭を書いてる人の話エントリで。 
 ちなみに、基本的にはダラダラ笑いながら読むような小説です。実は原稿用紙2000枚以上あったりしますが、案外ストレス無く読めるという報告もあります。時間はかかるけど。

安楽の記憶(短編・完結済)    
 ブログで公開された初の連載小説(全4話)。なおhtml版も制作済。リアルタイム以外の方はhtml版で御覧あれ。
 内容は卒業間近の大学生の話。非常に難解なのでご注意。html版の解説を読むと、特定地域の人は楽しめるかも。

河図石語(シリーズとしては長編) 四月編         10 11 12
GW編      7−1 7−2   10 11−1 11−2 11−3 12−1 12−2 12−3 12−4
庭田激闘編1−1 1−2 1−3 相馬探険編1−1 1−2  3−1 3−2
 ブログで現在更新中の連載小説(次は五月研究会編)。html版もそれなりに充実中。格闘技団体を無駄にパクった画面に注目しておくれやす。
 文学部のサークル活動を主に描く作品。サークルの活動内容はかなりマニアックですが、わりと典型的な大学生の雰囲気を出そうとつとめている次第。基本的にコメディ…だと思われます。

悔いても何も還りはしない

 長らく止まっていた「河図石語」更新再開。html版も同時更新して、とりあえずの完全復活ということで。
 こんな短い話に三ヶ月もかけるなよ、と思う。でもまぁ、物理的な時間以外に、難航した理由があったのも事実である。どっちかというと、相馬美恵は書きにくいのだ。
 次は五月研究会編となる。露払いの第一話はそんなに時間かからないはず。導入部分だけ公開してもしょうがない気もするけど。

 で。
 三沢光晴も、テッド・タナベも、マイケル・ジャクソンも、等しくいなくなって寂しい存在。
 あーあ。出来ることはやらなきゃね。

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河図石語 相馬探険編第3話−1(相馬)

 本屋の自動ドアを抜けて、少し歩いた先の公園で一休み。軽く動揺している自分を立て直そうとカバンを開いたら、一冊の本のようなものが見えた。
 ……携帯用の市街地図だった。
 もちろん自分でカバンに詰め込んだもの。大丈夫、ちゃんと思い出せる。けど、すっかり存在を忘れていたから意味がない。

「お待たせいたしました。まもなく205系統が参ります…」

 せっかく思い出したので、開いてみようか。でも、こんな近所の公園に出掛ける程度で地図を開くのは勇気がいるかも。誰も私が近所に住んでいるなんて知らないだろうけど、そもそもここは観光地じゃないから不自然だよね……と、いろいろ言い訳を重ねつつ少し歩く。
 やがて見えてきたバス停で、機械音声がバスの接近を告げている。とてもハイテク。だからちょうどいいや。乗る気もないのにベンチに座り、ついに閉ざされた世界は白日の下にさらされてしまった。
 それは入学式の日の帰りに買ったものだった。
 この町で初めて買った本にはたくさんのページがあって、そのどれにも細かく道が載っている。とりあえず買った晩にパラパラとめくって、それから数日の間はカバンの中にあって、いつの間にか部屋の隅に埋もれていた……。
 地図は何のためにある?
 たとえば、ふわふわ浮いてる自分の座標を示してくれるもの? それはそうかも知れないけど、ふわふわ浮いてるなら座標なんて無意味だ。

「お待たせいたしました。まもなく204系統が参ります…」

 そんな地図に、時々蛍光ペンでラインが引かれている。ピンクの細いライン。もちろん、それを引いたのも私自身だ。
 生まれ育った町を初めて離れた三月の末に、私は目標を立てていた。
 一つは、地図を買うこと。
 それから、歩いた道を地図に書き込むこと。
 別に、書き込むことが何かのためになるとは思わなかったけれど、どうせ何をしていいのか分からないから、気休めぐらいにはなりそうな気がした。

「52号系統です。整理券をお取りください。52号系統です。整理券を……」

 目の前でバスの扉が開き、相変わらず変化のない音声が流れてくる。たたみかけるように流れるその音に、だんだん気まずくなった意識は自然に地図へと逃げていく。何も頭に入らないけれど。
 やがて扉を閉めてバスが去っていくと、私もベンチを立った。次のバスに耐える自信はなかった。
 ふぅ…。
 ため息をついて、また地図を見る。バス停のマークの記されたこの地点に、マークは引かれていない。一瞬考えて、もう一度ため息をついて、地図を開いたまま歩き出す。
 今日のカバンにマーカーは入っていただろうか。取り出した記憶もないし、最後に使った時からずっと、どこかに埋もれているに違いない。たった一ヶ月の薄っぺらい地層のどこかに。

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河図石語 相馬探険編第3話−2(相馬)

「へーらっしゃいらっしゃいらっしゃい!」
「すみびぃやきにくぅ」

 学生向けの店が並ぶ一角を通りすぎる。
 目当ての学生はいないけれど、音だけは鳴り続ける。要するにこの呼び声は、たとえば私という個人に対してのものではない。私も四月からは含まれている、「学生」というカテゴリーへの呼びかけだ。
 当たり前じゃないか。
 テレビショッピングだって、テープの呼びかけ声だって、自分のためじゃない。何を期待していたんだろう。ただそれは、私が聞いても叱られない、それだけなのに。

「あなたとわたしのしーじーしー」

 吸い込まれるように潜り込んだスーパーで、さらに激しい音の洪水と出会う。
 もちろんどれも、私が聞いていい音たち。気後れせずに済む音たち。誰の声なのか、いつの声なのか何も分からないけれど、少なくとも自分の声じゃない音たち。
 買い物をするわけでもなく、店内をうろつく。もう見慣れた食料品売り場をうろうろ、そして階段を昇って……。
 そこには未知の空間があった。
 天井の低い空間にはあまり人がいない。その代わりに衣料品が並ぶ。いくら気の迷いが起きても、大学生は買いそうにない服ばかり。なんて無意味な旅。
 …なのに今の自分はちょっとはしゃいでる。
 だって私はレミタンの新入部員だ。眠り続けていた地図を、昨日の夜に探し出したのも、そんな自覚が生まれからかも知れない。ちょっと盛り上がり過ぎだ。そろそろ帰ろう。どうせ食べ物を買うついでなんだし。

「たすけーられたりたすけたりー」

 再び食料品売り場へ向かう。
 が、階段を降りた目の前には、コロッケが並んでいた。
 揚げたてのコロッケ。都会ではそういうものを食べるって、テレビで見たことがあった。私の家では買い食いは厳禁だったし、かじりながら歩くような空気もなかった。

「………」
「いくつ?」
「え?」
「………」

 慌てて顔を上げたら目があった。
 そうだった。ここはスーパーに同居する惣菜屋だから、ぼんやりしていてはいけないのだ。ああどうしよう…。

「…み、三つ」
「おーきに」

 三つも食べられるはずがないのに。
 頼みながら後悔する自分がいる。なんて器用なんだ。

「はい二百四十円」
「………」

 皺だらけの手にぶら下がったビニール袋を受け取って、うなずきながらうつむく私。
 うつむくのは財布の中の小銭を探すから。そう。無理矢理な言い訳だ。二百四十円。大丈夫、財布は忘れてないから――――。

「どこから来たの?」
「え?」

 一瞬、息をのむ。
 別に何も難しくない。
 自分に言い聞かせて、それから表情に気をつける。

「学生さんでしょ?」
「は、はい」
「………」

 百円玉が二枚。
 十円玉は…、四枚あった。

「えー……っと、と、東北です」
「あら遠いのねー」
「はい、…まぁ」

 震える手でお金を渡した。
 そしておばちゃんは受け取って、額を確認した。
 別に、それだけの話だ。

「おーきに」
「あ、ありがとう」

 コロッケ三つ分の重みを加えたカバンを抱えて歩き出した私は、スーパーの出口で立ち止まり、ベンチに座った。そしておもむろに地図を開く。
 そんな自分の姿がとても可笑しくて、一瞬頬がゆがんで、気を取り直してさらにカバンを探る。蛍光ペンはきっと見つかるだろう。これでもレミタン部員なんだから。

 そしてもう一つ目標もできた。
 次は絶対に「東北」なんて言わないこと。私はそんな、どこか分からないほど広い場所から来たわけじゃない。
 真新しい線が光る地図を閉じて、再び歩き出す。次の行き先は自分の部屋だ。幸いここは、コロッケの冷めない距離だった……って、そんなことは地図を見なくたって分かるよね。

(相馬探険編 完)

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近況をば

 毎週末に発表したりしゃべったりで、その準備に追われている。一方で、前のエントリで書いたように、別名義のブログも更新していた。
 その別名義の方は、だいたい更新が終わった。まだもう少し記事が増えるだろうが、怒濤の日々は過ぎたので、もうそんなに手間はかからないだろう。
 けっこうすごい量だけど、夏少を知ってるなら不思議ではあるまい。まぁ向こうを見る人は、基本的に夏少を知らないはずなので、ビックリしてるようだ。ビックリしてない人がいたらいやだなぁ。

 さて、創作にはそろそろ復帰したい。ポツポツと「河図石語」に拍手なんてものもしていただいてるし、いい加減サボってはいかん、と思い直す今日この頃である。
 つい最近、すごく久々に学食で飯食ったのも、いい刺激になるかも。食べたカレーも、実に学食らしい味(褒め言葉ではない)だったし。

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よそで活躍中

 別に活躍はしてないけど、nats_showとは別名義のブログを更新している関係で、ここは滞っている。すまないことである。
 向こうが一段落しないと、創作に時間は割けないだろう。まぁ一時的なものなので、そのうちまたポツポツと更新再開の予定。

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気もそぞろな毎日

 このまま放置してはいかん、ということで「河図石語」相馬探険編を更新。ほとんど一ヶ月前に書き終わっていた内容である。
 その後を書くことにイマイチ気乗りしないという事情もありつつ、しかし大いに停滞した理由は他にある。旅に出る予定なのである。

 まぁ旅については、こちらではなく向こうに多少触れるだろう。ただ、何せ行き先がアレなので、あまり書けないはず。結果的にすごーく停滞していることになる。
 どうにかしてここにも旅の内容を還元したいとは考えている。どっちにしろ、行ってみなきゃわからんな。

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河図石語 相馬探険編第2話(相馬)

 この町には千年の歴史があるという。
 小学校で習った「町」の歴史は、一応千数百年前から始まっていた。でもそれはあくまで考古学の領域だ。せいぜい理解できるのは、人類が私の生まれた場所に存在したという事実に過ぎなかった…のに、ここではそんな考古の時代に誰がいて何をしたなんて話ができる。
 どちらにしろ、生物学的にいえば同じヒトが生息していた。それなのに………。
 軽い劣等感と大きな好奇心を呼び起こさせるこの町は、もう一つ大きな特徴をもっている。それは、とてつもなく広いこと。
 ここが、私の生まれ育った「町」の十倍以上の人口だということを、もちろん数字では知っていた。それは簡単すぎて受験勉強にもならないぐらいの常識だ。だけど実際に引っ越して近所を歩いてみると、最初はぴんと来なかった。たぶん四月の半ばまでは、そんな感じだった気がする。我ながら細かい記憶だ。
 犬を連れた老人とすれ違いながら進んだ先に、十字路の交差点。信号で立ち止まって、ちらっと視線をずらした右手の道には、何軒かの店が見える。
 反対の道にもやはり並んでいる。
 信号が青になって、どちらにも曲がらずにまっすぐ進むその先にも店が並んでいる。そして次の信号でも、両側に店が並んでいる。
 …そういうことだった。
 そのうち終わるはずの町が終わらないから、だんだん息苦しくなる。十倍すごい町並みなんてないけれど、十倍の奥行きならあるから、いつか溺れてしまう。だからせっかく外に出たのにもう嫌になって、気分が落ち込み始めていた。今日はもう五月だから、立派な五月病患者だった。
 ……独りの探検は無理がある。せっかくの発見も、それだけでは価値がないから。
 発見したなら、誰かに報告しなきゃ。
 でも少なくとも、今日の自分にそんな相手はいなかった。寂しい……のかな。

 ちょっと頭がぼーっとして、逃げ道を探す私の眼に映ったのは、ありふれた本屋だった。ベタベタと宣伝の紙が貼られ、ぽつぽつと人が出入りしている。中には似たような年齢の人もいる。…制服の高校生もいる。
 わずか前まで高校生だった自分も、本屋には普通に通っていた。
 受験生だったから一応は問題集の棚を眺めて、それから雑誌をめくる。目についたスポーツ雑誌を二、三冊読んで、それから旅行ガイドのページをめくるのが日課だった。
 遠く離れたこの町の本屋でも、並んでいるのはほぼ同じような本だった。本棚のそびえる場所の空気も、けだるそうな店員の立ち姿も同じ。だからリハビリにはちょうど良さそうだ。
 手に取ったのは……、なぜかバドミントン雑誌。この表紙は見たことがあった。たぶんこれは月刊誌ですらなかった。どうせリハビリごっこなんだし、何だっていいや。

 中学では、なぜかバドミントン部だった。
 なぜか…、はないか。今のレミタンに比べればごくありふれた部活だ。小学生の頃、なんとなく親に連れられていった町の体育館で、何度か遊んでみたら楽しくなって、だから中学では入学と同時に迷わず選んだ。そして三年間、強くはなかったけれど続けることはできた。もっとも、それである意味満足してしまったから、高校で続けようとはまったく思わなかった。
 それにしても、昔から私はあっさり身の振り方を決めてしまう傾向がある。ということなんだろう。レミタンなんて………。
 ………。
 なんか赤面して、雑誌を閉じた。こんな雑誌でどうやって赤面するのか、聞かれても説明できそうにないから、早々に退散する。ちなみに雑誌の中身はほとんど読んだ記事ばかりだった。

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3月しか読めない小説

 安楽の記憶1話 2話 3話 4話)という小説をかつてここに連載した。ものすごく長い「川辺の祭」も連載していたものの、大学生の話を書きたくなったという事情は、当時の周辺の日記に書いたと思う。
 しかし、この短編は基本的に三月からの回想であるにも関わらず、秋に書かれていたりする。最初から卒業をテーマに書くつもりだったから、ある意味不思議なタイミングだった。今にして思えば、だが。
 
 最近は何事も簡潔・単純路線なので、この時期になると卒業と桜の歌だらけになる。そういう直接的なものでしか季節を理解できなくなったという、嘆かわしい状況を物語っているように思えてならないのは、一応自分も送り出す側の端くれだからかも知れない。
 なのでまぁ、自作なんで気がひけるけども「安楽の記憶」、どうでしょう。html版には解説もついてお得ですよ、ええ。最初に解説読まないでね。

 いろいろあって(モバギご臨終も含め)停滞しているので、こうやって旧作を宣伝してみる。
 短期間に書いたわりには、そこそこ気に入っているのだ。みんな楽しくなさそうに笑っているでしょ?

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やや停滞気味

 しばらく更新しないままになっていた。なんとなく余裕がなくて、向こうのブログも含めて止まっていたが、とりあえず向こうから先に更新再開。つーても、ただ写真のっけただけだ。

 こっちはさっさと「河図石語」相馬話をのっけるのが筋であろう。しかしもう少し待ってもらいたい。残りに関しては、分割すれば前半は公開出来るけれど、なるべくなら一括公開したい。
 別にネタに詰まってるわけではなく、雑な部分に手を入れれば済む程度。ただし、どうにもノリが悪い。このまま公開してもしょうがないのでは、というためらいがある。

 ネット公開小説なんて所詮は自己満足かも知れない。でもなぁ、一人でも読者がいるという状況があるならば、少なくとも迷惑をかけない程度のクオリティを保ちたいものである。
 まぁ正直、既にそのレベルにない話が混じっているけどな。五人にかわるがわる語らせるというのも、いい加減無理が出てきてるような気がする。さすがに書き手としては、誰の語りが……とは言えないが。

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夢見る三十代

 「河図石語」相馬探険編、ようやく公開開始。ただしまだ探険が始まってすらいない。いつもの展開といってしまえばそれまでだが、夏少の書く世界では誰もが出不精だ。
 文学部に入るような人間はたいがい出不精なんじゃないの?、と思う部分もあるけれど、身体を動かすのが億劫であることと、出不精は違うという言い方もある。行きたいところには行くだろう、普通は。

 で、この先は夢の話があったり、普通に出掛けたり。
 まぁ、既に部屋の外には出ているのだし、当然外を歩くわけである。そこに夢が介在するとなると、これまた夏少お得意の白昼夢的妄想か、という想像もできる。
 幸か不幸か、今回は妄想はない。「川辺の祭」はある意味そういう小説だから妄想だらけなわけで、一般人の「河図石語」で豪快なトリップはおかしいだろう。小さなトリップなら庭田がやらかしてるが。

 しかし、三十代後半の自分が見る夢を、たとえば大学一回生に語らせるのは無理だろうか?
 夢の中の自分は、別に三十代後半というわけじゃない。二十年も会ってない高校の同級生が、二十年分老けて出てくるわけでもないし。
 それでも若い日には見れない夢ってのは、やはりあるのだろうか。若い日に知り合ってなかった人間が登場する以外に。

 そんなことをふと思ったのは、つい最近見た夢で、祖母が携帯電話を操作していたから。
 もちろんリアルな祖母は、死ぬまで携帯など触ったこともなかった。目覚めてから違和感を抱くぐらいだから、そういう変化は例外的なのかな?

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河図石語 相馬探険編第1話−1(相馬)

 朝。
 どこかの部屋がガタガタ音を立てていて、目がさめた。
 枕元の小さな置き時計を見た。
 時刻は九時を指していた。

 どうしよう……。
 あまり回らない頭で考えるのは、今日のこれから。
 五月三日は国民の祝日だから、学校には行く必要がない。行っても知ってる人は誰もいないし…。


 ………。
 どこかの部屋がガタガタ音を立てていて、目がさめた。
 枕元の小さな置き時計を見た。
 時刻は十時を指していた。一時間私は何をしていたのだ。自分にあきれて、今度は飛び起きた。閉めきった窓のカーテンからも、もはや朝日とはいえそうにない光が漏れている。少しだけ迷って、半分ぐらい開けてみた。別に誰も覗いてる人はいなかった。

「…ポセイドンを飲んでから、いいんですよー」

 テレビをつけたら、商品の宣伝中だった。四月半ばには面白いと思っていたけれど、もうすっかり飽きたテレビショッピング。
 一応は最近まで受験生だったし、家のテレビを自由に見る権利もなかったから、テレビは新鮮だ。人の声が絶えないから、寂しい一人暮らしという状況も改善できる。
 …でもそれは引きこもり一歩手前らしい。
 五十川さんにはそう言われてテニスに誘われた。せっかく誘ってもらったのに断ったのは、よくないことだと反省している。きっと彼女は今日も練習しているはずだ。いつも元気な五十川さんになら、そんな陽の当たる場所へも引っ張ってもらえたのに………。
 やめよう。
 自分だってレミタンの皆さんに引っ張ってもらってるんだ。それ以上、まだ人任せでどうする美恵。勇気を出してみようよ美恵。

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河図石語 相馬探険編第1話−2(相馬)

「燃焼!燃焼!燃焼!」

 時刻は十一時前だった。
 テレビ通販は脳を麻痺させて商品を買わせると、庭田さんと浜中さんが話していた。なんとなく分かる気がする。でもまだ大丈夫、三度も同じ画面を見たことに自己嫌悪できているから。
 ようやく準備も終わり、とうとう靴をはいた。準備といっても、この一ヶ月の間いつも持ち歩いているかばんに、ただどんな本を入れるか悩んだだけ。どうせ読む気もない本を選ぶ自分がかわいいと思えるようになったら――、さすがに人生おしまいかもしれない。もう繰り返しはごめんだからテレビを消して、大きくため息をついて私は立ち上がる。どうってことのない動作を大袈裟に表現してばかりいる。


 焦げ茶色で触ると冷たい玄関扉。内側から鍵を外して押し開ける瞬間は、いつも緊張する。
 扉の隙間から覗く細長い外界には、「不審者に気をつけてください」の文字。だけどそんな貼り紙がいくらあっても、とりあえず日中は心配していない。
 むしろ―――。

 自転車の並ぶ狭い通路の先で、アスファルトの道に出る。これも緊張する瞬間。もちろん何も起こらないけれど。
 ゴールデンウィークの住宅地は、基本的には静かな空間だ。たまに子どもとすれ違うぐらいで、学生はいない。全員が帰省してるわけじゃないだろうし、まさかみんな私みたいに昼まで寝てるわけでもない……と思う。
 たまに通過する車は、道幅に不釣り合いな大きさ。もう少し人通りが多かったら、不審者も現れないだろう。私みたいな、余所者という不審者も。
 ………。
 気にしてもしょうがないこと。でも気になるから外出がおっくうになる。言葉すら通じない町で、どこかを一人で探検しようという勇気は、なかなか湧いてこなかった。
 今の自分がこうやって歩いているのは不思議な光景だ。
 うん。不思議だ。
 でも、不思議なことを実行する、その理由も分かっている。
 見知らぬ場所を眺めて歩くのは楽しい。そんな今更のことを再発見したから、部屋で黙ってはいられない。私はあの渦巻くお寺どころか、この町に何があるのかすらまるで知らないから。

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数日の間には「河図石語」更新する予定

 大麻な奴が「礼儀正しい角界の金太郎」だというお茶目なニュースも駆け巡った今日この頃、インフルエンザにかかってないかーっ!
 わざわざ大声で聞くことでもないな。まして音も出ないし。

 私はといえば、体力の限界を感じつつも、どうにか風邪やインフルエンザだけは回避して一月を終えようとしている。自分で自分を褒めてあげたい。まぁどうせなら他の人に褒めてもらいたい。
 「河図石語」相馬探険編は、複数話に分割する予定なので、少なくとも第一話は間もなく公開出来るはず。どっちにしろ、庭田激闘編同様にたいした長さにはならないし、可能であれば一気に公開してしまいたいのだが。

 で。
 相馬美恵の「相馬」の由来は何でしょう? まぁ今この質問をしたら、某芸者小屋があがるんだろうな。

 自分のしょーもない創作メモに「相馬美恵」という名前が登場したのは、たぶん今から二十数年前である。その辺が大きなヒントなわけで、でもまぁ、当時の住人でなければ正解を知ってもピンとこないだろう。そういう意味でもローカルな命名であった。

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リアリティとヒロイズム

 ようつべで暇を潰してたら「N・H・Kにようこそ!」に辿り着いた。懐かしいなぁ、ととりあえず21話の映像を見る。
 あのアニメはやはり13話と21話に尽きる。まぁどっちも山崎がおいしい所を持っていっちゃうわけだが……。

 で、タイトルに行き当たる。
 放送当時から、「N・H・Kにようこそ!」は賛否両論だった。そこで「否」側の根拠に、ひきこもり描写の甘さだったり、その解決法としての結末への不満があったことを思い出した。
 結末への不満については、当然有り得る。なぜなら本質的には何も解決しないから。解決に結びつかない変化というものはいくつでも想定しうるわけで、その中の一つとして蓋然性があるかどうかが問題であろう。その意味でいえば、蓋然性はあると私は思う。
 その解決しない点に不満を抱き、「人としての深いつながりを」なんて書いてるのを読むと、笑ってしまう。本質的な解決など、そもそも存在しないという世界観の作品に対して、それこそ滑稽な「甘い」コメントであろう。

 で、ひきこもり描写はどうなのか。私もどちらかといえばひきこもり体質だと思うが、週の半分以上は外で働いてるので、まぁ何がリアルとも判らない。
 ただ、本物のひきこもりが認めるリアルな描写がなされたとしても、そのことに価値はない。ひきこもりな人々が「俺たちのことを書いてくれた」と無条件で思えるような作品は、結局のところひきこもりをヒーローに仕立て上げるだけである。
 山崎があんなにカッコイイ言葉を吐いて去りながら、結局はその場のノリで生きているというエンディング。あのギャップはリアルだ。「21世紀の青春ドラマ」として、語り継がれるべき作品だと思う。

 うむ。全然自分の創作の話ではないな。
 だがしかし、結局はだらだら物語を書く自身のスタンスでもある。なのであえてこちらの日記に書いておく。

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